イギリスの小さな港町に現れた夢の国!? Saki, London
先月ですが、
この日の目的は、”Dismaland”に行くこと!!
一見、あの有名なネズミが主人公の夢の国”Dis〇ey land”ように見えますが、
残念ながらこちらは、Dismal=憂鬱な、 陰気なという意味の、夢の国とは正反対の場所です。
この”Dismaland”は、
Banksyというイギリスのストリートアーティストが監修し、 世界の約60人のアーティストが作ったアート作品やパフォーマン スが見られるテーマパークです。
Banskyは、イギリスを中心に活躍するアーティストで、
国内だけでなく世界各地に、ゲリラ的に出没し、反資本主義や、 政治や社会の問題を風刺した作品を、 街の壁に落書きのように描くことで知られています。
また彼の素性はほとんど知られておらず、 覆面アーティストとも呼ばれています。
突如、街中の壁に現れる落書きのような作品が、 オークションで数千万から1億円という値段がつけられるそうです 。
残念ながら、他の落書きと見分けがつかず、 消されてしまったものも沢山あるようです。
そのため、彼が書いた作品がある壁には、アクリル板が貼られ、 消えないように保護されていたりします。
下のURLからロンドンにある彼の作品の場所がわかります。
街歩きをしながら、彼の作品を探すのも楽しいかもしれません。
そんな風刺を得意とする彼の作ったテーマパークは、
いたるところにユーモアのある皮肉がちりばめられています。
そして、なんといっても、このパークを盛り上げるのは、スタッフです。
まるでミッキーの耳のようなものを頭につけ(なかには、 その耳が折れていたり、 適当にはずして地面にほったらかしたりしているスタッフもいます ・・)、常にけだるそうに働く彼ら。
まずは入り口のスタッフ。
何か質問すると”Go away!!(あっち行け!)”と追い払われます。
入り口なのに・・・(笑)
入り口を入ってすぐにあるセキュリティーチェック。
よく見ると、金属探知機もX線検査装置も、 係員の拳銃もすべて段ボールで出来ています。
そして、かなり厳しい質問攻めにあいます。
すべて段ボールなのに、 真剣なスタッフとの対比がおもしろくて笑っていると、
”なぜ笑う!!”と怒られ、チケットをビリビリに破られました・ ・・・。
なんとかセキュリティーを通り抜けた先には、 パーク内の地図を配るスタッフがいます。
渡してくれるのかと思いきや、 なかなかその手から地図を離してくれません。
他にも、 パターゴルフをするお客さんのボールを蹴って邪魔をしたり、
ため息をついたり、あくびをしたり・・・・
イギリスで、態度の悪い店員には慣れているはずなのに、
それを超越したような、突き抜けた態度の悪さに、
普段はイラっとする私も、ここまで徹底してやられると、 笑いが止まりませんでした。
よくトレーニングされているなと、 ある意味感心していたのですが、
それもそのはず(?)、このスタッフは、地元の新聞の” 映画エキストラ募集”の広告を見て集まった人達だったようです。
態度の悪さも演技だと思えば、こんなにも楽しいものなんですね。
パーク内は、こじんまりとしていて広くはありません。
まず、中心に位置する”シンデレラ城”に行きました。
ここは、「本当のプリンセスがどう感じるか」 というのがテーマなのですが・・・
中に入ると、
真っ暗な闇の中で、 ひっくり返ったかぼちゃの馬車と倒れているシンデレラ。
そしてそれを取り囲むパパラッチ達が見えます。
まさにダイアナ元妃の最期をあらわすかのような展示になっていま す。
女の子が誰でもあこがれるプリンセス。
でも、その本当の姿はディ〇 ニーのそれとはあまりにもかけ離れています。
こちらは、メリーゴーランド。
よく見ると、なにやら雰囲気の違うものが乗っています。
少し前にイギリスで問題になったホースミート事件( 冷凍のラザニアに牛肉ではなく馬肉が使われていた、 馬を愛するイギリス人にはショッキングだった事件のこと) を関連付けているのかなと思いました。
さらに、何やら池に浮かぶボート・・・ 水面には浮かぶ死体も・・・
難民のニュースを思い出しますが、これはさすがに笑えない・・・ ・
1ポンド入れると、なんと!?ボートを操縦できます。
Home sweet Home ならぬ、Home screen Home
こちらは、子供専用の消費者金融。
とんでもなく高い利子でお金を貸してくれるようです。
実際には、中はおみやげ物が売っていました(もれなく、 全部高かったです)
MIni Golf かと思いきや、Mini Gulf。
パターゴルフに、 特殊なコース設計や様々な仕掛けがあるもののことをcrazy golf というのですが、それとCrazy Gulf(湾岸諸国)をかけているのではないかと思います。
コースの周りの沢山の石油缶が、Gulf= 湾岸諸国の石油にまつわる色々な問題をあらわしているのでしょう か。(間違ってたらすみません><)
そして、このゴルフコースの芝生は、 裕福な家庭の子が通う私立学校からもってきたようです。
重油にまみれた、アヒルを吊り上げるゲーム。
なんとか吊り上げたと思ったら、 スタッフが釣竿をはじいて邪魔をしてなかなか釣れません。
上の写真は、宇宙飛行士気分を味わえるアトラクションです。
スタッフが口で"プシュー”といって、 最新の機械であるかのような雰囲気を出しながら、 ドアを開けてくれます。
実際は外側だけがぐるぐる回っていて、
必死に手すりにつかまっている乗客たち・・・
アトラクションだけではなく、アート作品の展示もありました。
下の写真は、蛇に飲み込まれてしまったネズミですね(笑)
セルフィー専用の顔出し看板もあります。
ここで写真を撮っていると、 スタッフが上から蜘蛛のおもちゃを落としてきます(笑)
小さなテントの中には、 一面に様々な社会風刺の看板がありました。
どんどん値段が上がっている、イギリスの不動産に言及するもの。
パーク内のアナウンスに耳を傾けると、、
「お母さんが迷子になっています!。早く迎えに来てください!! 」と、いう放送が・・。
細かいところまで手が込んでいます。
すみずみまで、お客さんを楽しませてくれるDismaland。
片道3時間もかけて行くほどのものなのか心配していましたが、
ぜひ、みなさんも!・・・・・・と、言いたいところですが、
8月22日から9月27日までのなんと36日間限定のイベントで 終了してしまいました。
ディ〇ニーに訴えられる前に、 早々に撤退したのかなと思っていたのですが、
なんと!!!
フランス北部の難民キャンプがあるカレーに移転されるらしいです。
興味のある方はぜひ・・・・