イギリスのチャリティー文化 saki, London
イギリスに来てから、人々の生活の中に、 とても自然にチャリティやボランティアといった慈善活動があり、 文化に根付いていることに驚きました。
それも、みんな楽しみながらイベントに参加するような形が多く、 一年を通して、 様々なチャリティイベントを目にすることが出来ます。
駅やスーパーで”チャリティーコレクター" と呼ばれる人が募金箱を持って立っていたり、
おもちゃの丸い赤い鼻をつけて、面白いことをして、募金を集めよう!!という”レッド・ノーズデー”もあります。
(写真は、Comic reliefのHPより。http://www.comicrelief.com/rednoseday )
また、町中にまるで赤い羽根募金のように、 赤いポピーの花をつけた人でいっぱいになる、 ポピーアピールと呼ばれるチャリティイベントもあります。
これは戦争で犠牲になった人の冥福を祈り、 退役軍人の支援するための活動です。
(写真は、British RegionのHPより。ロンドン市長のボリスさん)
さらに、Movemberとよばれる”Mo=ひげ”、” November=11月”をかけた、11月中ひげを剃らずに、 募金を集めるというものもあります。
このようにイギリス人が慈善活動に積極的に参加する背景には、
小さなころから、学校で、” 聖書に基づいた善良な市民でいるために慈善活動に参加しましょう ”と教育をされてきたこともあるようですが、
それよりも大人から子供まで、 慈善活動を楽しんで参加するものととらえていることが、 さらに盛り上がる要因ではないかなと思います。
そんな私も、今年に入ってから、 空いた時間を利用してチャリティーショップでボランティアをして います。
イギリス国内に9000店舗から10000店舗あるといわれてい るチャリティーショップ。
ハイストリート(繁華街)には必ずといっていいくらい、 お店を見つけることが出来ます。
(近所にあるチャリティーショップ。)
お店にある品物のほとんどが、 近隣住民や閉店した店舗から寄付されたものです。
衣類や靴、鞄、アクセサリー、本、DVD、食器、そして、 フェアトレードの食品なども販売しています。
観光客でチャリティーショップと気づかずに買い物をしていく人も いれば、
毎日通って掘り出し物を探す常連さんもたくさんいます。
(チャリティーショップの店内の様子。衣類は色で分けて並べられています。本をゆっくり読めるスペースも)
イギリスのチャリティーショップの良いところは、 少々汚れている服でも、 使い古したおもちゃでも受け取ってくれるところだと思います。
汚くて売れない衣類や下着は、 ソファーの材料などにリサイクルされるそうです。
またショップで売れなくてもまだ着ることができる衣類は、 途上国で必要としているところに寄付したり、 かなり安い値段で売っていると聞きました。
日本の場合、クリーニングをした綺麗な状態のものか、 新品の食器等しか受け取ってくれないところが多いと思います。
あまり細かいところをきにしない国民性に助けられているのか、
寄付をする人も気負わず、 気軽に出来るのはよいことだと思います。
せっかくなので、 チャリティーショップでの買い物のコツをご紹介したいと思います 。
まず一番効果的なのは、
高級住宅地が近くにあるお店を選ぶことです。
お店によっては、 かなり使い古され日本だったら誰も買わないような商品も中にはあ りますが、高級住宅地にあるチャリティーショップでは、 ハイブランドの新品の鞄やスーツなど太っ腹な人から寄付された商 品に出会えることがあります。
そして次に、
商品にほつれや汚れを見つけたら、 だめもとでも値段が安くならないか店員に聞いてみることです。
商品をチェックしてから店頭に出していても、 中には少し欠陥のある商品もあります。
そういう場合は値引きしてくれることがあります。
そして最後に、できるだけ毎日通うことです。
いつ、誰から良い商品が寄付されるか分からないので、 マメにチェックするのが、 掘り出し物と出会える可能性を広げます!
宝探しをするような感覚で楽しんでください。
さて、チャリティーショップは数名のマネージャーを除き、 スタッフも無給のボランティアで運営されています。
私のように主婦の人もいれば、退職して時間にゆとりが出来た人、 イギリスで仕事を見つけるまでの経験をつむために来ている人など 、様々です。
ボランティアは、レジをしたり、寄付された衣類などを分類し、 値段をつけたりします。
大きな店舗では、 ジュエリーの目利きの人や古本に詳しい人など専門性のあるボラン ティアを活用している所もあります。
さて、チャリティーショップで働いていて、 とても驚いたことがあります。
それは、 お店の商品を万引きしていく人が結構いるということです・・・・ 。
高価な商品は、キャビネットに入れて鍵をかけたり、 衣類にはセキュリティータグをつけたりしているのですが、
試着を装って、自分が着てきた古い服を脱ぎ捨て、 商品を着て帰るようなつツワモノもいたり、
いまだに防ぎきれていません。
比較的治安の良いイギリス、 しかもチャリティーショップで万引きするなんて、 と信じられない気持ちでしたが、
今では、 レジから店内をくまなくチェックし怪しい人がいないか探すのが習 慣になりました。
ただ困ったことに、考えれば考えるほど、 どんな人が万引きをするのか予想がつかず、
ひたすらキョロキョロするしかない・・・・
いかにもな風貌のひとなのか、 もしくはスーツをきてビシッと決めたプロがいるかも知れないと考 え出すと、さらに分からなくなってきます。
怪しい動きを見極めるのを、なかなか簡単ではありません。
そんなある日、レジをしている私の目の前に、 一人の女性が何やらカードのようなものを見せてきました。
最初に、目にはいったのは免許証。
え?免許証見せられても・・・・と一瞬戸惑いましたが、 さらによく見ると、
そこにはPOLICE という文字が!!
なんとその人は、万引き対策のために呼ばれた、私服警官でした。
イギリスの私服警官に会えたことに興奮しながらも、
あまりの自然に、違和感なく買い物客に溶け込む姿・・・、 さすがプロ!!と感心してしまいました。
と、同時に、 人を見る目を養うことの難しさを痛感したのでもありました。
万引きGメンとして活躍できる日はくるのでしょうか・・・・
ちなみに、私服警官は英語で"Plainclothes police officer"といいます。
マネージャーに勢いあまってPrivate Police(民間警察)が来た!と言ってしまった私の英語力。
人を見る目以上に、英語力の強化が必要なようです。